2015年12月23日
再び 病名変更について思うこと
以前、「1型糖尿病」という病名は、変更してもいいのでは、という記事を書きました。
病名変更についての一考察
この記事にも書きましたが、「1型糖尿病」という病名は、「2型糖尿病」と混同されてしまう誤解が非常に多いです。確かに、10年前に比べれば、マスメディア等で「1型糖尿病」という言葉を聞く機会は増えました。しかし、現状ではまだまだ誤解が多いと感じています。私自身は、病名を人に聞かれた場合は、「2型糖尿病とは違ってね…」というフレーズを、必ずつけて説明しますが、その状況は、10年前と変わっていません。
だいたい、医療従事者の中にも大きな誤解があるのだから始末に負えません。
いつから内科へ移行するのか
先の宇都宮の事件のことを考えても、やはり、疾患の誤解を少しでも減らすべきなのではと思います。そのために、病名変更するか、病名自体の知名度を上げるか、こういったことも必要ではないでしょうか。まあ、ずっと以前から言われていることですけどね。
そんなことを思い出したのは、精神医学界では、時々、病名変更や分類変更があるからです。
アメリカ精神医学会で精神障害の分類として使われているDSMという診断基準があります。その最新版は、第5版(DSM-5)で、2013年5月に出版され、日本でも、邦訳された書籍が少し遅れて出版されました。
当然中身は、少しずつ変更されています。もちろんこれが完ぺきではないので、これからさらに改良が加えられていくものと思われます。(これとは別に、世界保健機関によるICDという診断基準の分類もあります。)
DSM-5では、例えば、不安障害→不安症、強迫性障害→強迫症等と、「障害」という言葉がことごとく変更されています。「障害」を病名として用いると、重症あるいは不可逆的な病気として誤解されやすいことが最も大きな理由だそうです。
性同一性障害に至っては、「性別違和」と全く違うものに変更されました。(正確に言うと、日本の古い基準では、この言葉が使われていたようです。)「性同一性」は個人の人格的な在り方を意味しており、「性別違和」は自己の性別に違和感のある多様な状態を指す用語として、今回の改訂で採用されたとのことです。
精神科では、このような、かなりの議論を重ねたうえでの慎重な病名変更が時々あるわけですが、小児科及び内科の糖尿病専門医の間では、そういった議論がなされないのでしょうか。精神科とは視点が違うから、と言われればそれまでですが
。
因みに、いきなり強引に病名を変更するわけではなく、不安障害→不安症の場合は、「不安症/不安障害」と病名はスラッシュを挟んで併記されます。移行期は、どちらも使えるようにという配慮からです。
「1型糖尿病」も、そんな形でやってみたらいいんじゃないでしょうか。
「1型糖尿病/インスリン欠損症」とか、「1型糖尿病/インスリン欠乏症」とか…?
世論がどちらを選ぶかは、世の中に任せればいいと思うのです。

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病名変更についての一考察
この記事にも書きましたが、「1型糖尿病」という病名は、「2型糖尿病」と混同されてしまう誤解が非常に多いです。確かに、10年前に比べれば、マスメディア等で「1型糖尿病」という言葉を聞く機会は増えました。しかし、現状ではまだまだ誤解が多いと感じています。私自身は、病名を人に聞かれた場合は、「2型糖尿病とは違ってね…」というフレーズを、必ずつけて説明しますが、その状況は、10年前と変わっていません。
だいたい、医療従事者の中にも大きな誤解があるのだから始末に負えません。
いつから内科へ移行するのか
先の宇都宮の事件のことを考えても、やはり、疾患の誤解を少しでも減らすべきなのではと思います。そのために、病名変更するか、病名自体の知名度を上げるか、こういったことも必要ではないでしょうか。まあ、ずっと以前から言われていることですけどね。
そんなことを思い出したのは、精神医学界では、時々、病名変更や分類変更があるからです。
アメリカ精神医学会で精神障害の分類として使われているDSMという診断基準があります。その最新版は、第5版(DSM-5)で、2013年5月に出版され、日本でも、邦訳された書籍が少し遅れて出版されました。
当然中身は、少しずつ変更されています。もちろんこれが完ぺきではないので、これからさらに改良が加えられていくものと思われます。(これとは別に、世界保健機関によるICDという診断基準の分類もあります。)
DSM-5では、例えば、不安障害→不安症、強迫性障害→強迫症等と、「障害」という言葉がことごとく変更されています。「障害」を病名として用いると、重症あるいは不可逆的な病気として誤解されやすいことが最も大きな理由だそうです。
性同一性障害に至っては、「性別違和」と全く違うものに変更されました。(正確に言うと、日本の古い基準では、この言葉が使われていたようです。)「性同一性」は個人の人格的な在り方を意味しており、「性別違和」は自己の性別に違和感のある多様な状態を指す用語として、今回の改訂で採用されたとのことです。
精神科では、このような、かなりの議論を重ねたうえでの慎重な病名変更が時々あるわけですが、小児科及び内科の糖尿病専門医の間では、そういった議論がなされないのでしょうか。精神科とは視点が違うから、と言われればそれまでですが
。因みに、いきなり強引に病名を変更するわけではなく、不安障害→不安症の場合は、「不安症/不安障害」と病名はスラッシュを挟んで併記されます。移行期は、どちらも使えるようにという配慮からです。
「1型糖尿病」も、そんな形でやってみたらいいんじゃないでしょうか。
「1型糖尿病/インスリン欠損症」とか、「1型糖尿病/インスリン欠乏症」とか…?
世論がどちらを選ぶかは、世の中に任せればいいと思うのです。
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コメント一覧
4. Posted by たま 2015年12月29日 18:02
soraさん、コメントありがとうございます
!うれしいです!
テレビ番組で、そんなひどいコメントがされていたとは、知りませんでした
。訂正依頼の電話、もっともです。すばらしい!私が見たNHKのニュースでは、「1型糖尿病という重い糖尿病」という表現がされていて、「重い糖尿病ってなんやねん。」と心の中で一人突っ込みをして、苦笑していました
。
「自己免疫性膵島分泌液枯渇症」、難解な感じがにじみ出ていて、うん、いいですね
。(ただ、全てが自己免疫性かどうかは、議論すべきところかもしれませんね。)
以前アンケートされた結果はどうなったのだろう。謎です。こういう患者の声は、もっと重視すべきと思います。
!うれしいです!テレビ番組で、そんなひどいコメントがされていたとは、知りませんでした
。訂正依頼の電話、もっともです。すばらしい!私が見たNHKのニュースでは、「1型糖尿病という重い糖尿病」という表現がされていて、「重い糖尿病ってなんやねん。」と心の中で一人突っ込みをして、苦笑していました
。「自己免疫性膵島分泌液枯渇症」、難解な感じがにじみ出ていて、うん、いいですね
。(ただ、全てが自己免疫性かどうかは、議論すべきところかもしれませんね。)以前アンケートされた結果はどうなったのだろう。謎です。こういう患者の声は、もっと重視すべきと思います。
3. Posted by sora 2015年12月28日 22:28
「糖尿病」=「生活習慣病」の刷り込みがすごくて、「糖尿病」と名のつく以上、病気と関係のない人には、1型だろうが2型だろうが同じものなのだと思います。希少疾患のうえ、この病名じゃ混同されても仕方がないのかもしれません。
テレビの健康番組や保険CMなどでは、「糖尿病」は生活習慣病として語られ、表現によっては傷付くことさえあります。
先日の宇都宮の事件の際、ネットニュースのコメント欄には「8歳で糖尿病って、親はどんな食事させてたんだ?」というものや、テレビのワイドショーのコメンテイターが「生まれつき」とか「親のせい」と表現したりで、私ははじめてテレビ局に訂正依頼の電話をしてしまいました。訂正されることはありませんでしたが…。悲しかったです。
発症間もなくこんな経験をしたら、一日中泣いてしまったかもしれません。
昔は「痴呆症」と言われていた「認知症」だって、その文字の持つ先入観で、誤解されて傷付く人がたくさんいたから変わったんだと思います。
だから、私も「インスリン欠乏症」に賛成します。なんなら「自己免疫性膵島分泌液枯渇症」くらい遠回しにしたいくらい。ありえないかな…(^_^;)
全国の患者会などでアンケートをして、声が大きければ、「痴呆症」が「認知症」になったような経緯で変えられたらいいのに!と思います。
2. Posted by たま 2015年12月25日 17:42
ちくてつさん、コメントありがとうございます
!ちくてつさんのブログによると、バーンスタイン先生の著書は、すごいらしいですね。近々、改訂版が出るようなので、出たら拝見してみようと思っています。いろいろな情報、ありがとうございます。しかし、ジャーナリストさんであったのは、存じ上げませんでした。
>患者の生の、裸の生々しい声で警鐘を鳴らすしかないと思います。
これは確かに、非常に大事なことと思います。医療の発展の原点は、全て患者さんの切実な声です。
娘が1型に罹患して、そのことを機に多くの方々との出会いがありました。1型の治療がますます発展して、近い将来、治癒する疾患になることを切に願っております。
!ちくてつさんのブログによると、バーンスタイン先生の著書は、すごいらしいですね。近々、改訂版が出るようなので、出たら拝見してみようと思っています。いろいろな情報、ありがとうございます。しかし、ジャーナリストさんであったのは、存じ上げませんでした。>患者の生の、裸の生々しい声で警鐘を鳴らすしかないと思います。
これは確かに、非常に大事なことと思います。医療の発展の原点は、全て患者さんの切実な声です。
娘が1型に罹患して、そのことを機に多くの方々との出会いがありました。1型の治療がますます発展して、近い将来、治癒する疾患になることを切に願っております。
1. Posted by ちくてつです 2015年12月25日 12:39
糖尿病について、薬の副作用について、がんその他の病気、食品添加物、遺伝子組み換え作物について、山ほど記事を書いてきたのに、激症1型を発症するまで、他人事でした。
記事は、虚しい作業でした。
では、どうあるべきか?
患者の生の、裸の生々しい声で警鐘を鳴らすしかないと思います。
私自身、激症1型になったことは、自分の現状を正確に伝え、世の中に知らせる使命をいただいたと理解しました。
インスリンが発明された1921年以前なら死んでました。
命をいただいたことに、感謝しています。