2015年02月

2015年02月11日

いつから内科へ移行するのか

今年の「日本医師会雑誌」1月号の特集は、「慢性疾患を持つ子供の成人へのtransition」でした。

つまり、慢性疾患の子供の成人科への移行について、がテーマです。

「1型糖尿病」も、むろん、この中に含まれます。

「1型」の場合、なにが問題かと言うと…。

まず第1に数の少なさ

内科医にとっての「糖尿病」は、ふつう「2型糖尿病」です。なぜなら、「糖尿病」のうち、95%以上が、この「2型糖尿病」だからです。そういうわけで、「1型」の治療経験が少ない、あるいは治療したことがない内科医も、結構いるのです。

第2に、内科の糖尿病外来は、高齢の2型糖尿病患者が大多数

だから、外来の雰囲気はかなり違います。

そんなこともあり、成人になっても小児科でかかり続けている方も結構いるようです。主治医とも、長年の付き合いで、信頼関係がありますしね。

では、いつまで小児科でいいのか?

娘の病院では、さすがに60歳を越えたような方はお見かけしないですね。

…ケース・バイ・ケースでしょうが、主治医と相談して、信頼できる内科医へ紹介してもらうということでしょうか。

その際、「信頼できる」というのが、ポイントです。

…実は以前、自分の勤務先の病院で、とんでもない患者さんをみたことがあります。

「1型糖尿病」で、近医に転医した、50代位の女性。転医先で、インスリンを内服薬に変えられてしまい、当然のことながら、HbA1cはべらぼうに上昇。困り果てたその病院から紹介されてきたというものでした。

これは明らかな医療ミスです。もちろん、多くの内科医は、医療知識としては、1型の治療はちゃんと理解していますから、まあ、このようなケースは非常にレアでしょうが、それにしてもあってはならないことです

このようなあり得ない状況にならないためにも、内科への移行は慎重に行いましょう。

もっとも、これをお読み下さっている方々は、こんな恐ろしい治療をされても、すぐに気付かれると思いますが…

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